裁判の傍聴方法【服装や時間は?】

裁判を傍聴してみたい人
「裁判の傍聴に行ってみたいけど、土日も裁判やってるのかな。何時から傍聴できるの?服装も何でもいいの?初めてでわからないことだらけで不安…。」

こういった疑問に答えます。

本記事の内容

  • 裁判を傍聴できる曜日と時間は?
  • 裁判傍聴の年齢制限は?
  • 裁判を傍聴する際の服装は?
  • 裁判所に着いてから法廷に入るまでの流れ
  • 傍聴時の注意点

恥ずかしながら私はこの歳になるまでの約40年間、一度も裁判を傍聴したことがありませんでした。

ドラマや映画などでしか見たことのない法廷。

国民として、一度は見学しておくべきではないか?

でも裁判を傍聴できる時間、手続きや、服装やマナーなど分からないことだらけ。

そこでネットで事前に調べた予備知識を基に準備して、社会勉強として実際に東京地方・高等裁判所に行ってきました。
同じく裁判傍聴初心者の方はぜひご覧ください。

裁判を傍聴できる曜日と時間は?

土日祝日は裁判は行われないので、傍聴もできません。

なので傍聴したいなら平日に行きましょう。毎日何らかの裁判が行われています。

法廷が開かれている時間は、だいたい午前10時頃から12時くらい、午後は1時過ぎから4時過ぎくらいまでです。
裁判を最初から見たい場合は、開廷表等を確認する時間を考慮して9時半頃には裁判所に着いておくようにしましょう。

裁判傍聴の年齢制限は?

裁判の傍聴には年齢制限はありません。

極端な話、赤ちゃんでも傍聴することができます。

ただし、法廷内は私語すら禁止されているので、子どもが泣いたり騒いだりすることがあれば退廷を求められます。

もし社会勉強のためにお子さんにも裁判を傍聴させたい場合は、場に応じてちゃんと静かにできる年齢になるまで待ちましょう。

裁判を傍聴する際の服装は?

裁判所に行く際の服装は原則自由です。

ただし、鉢巻き・ゼッケン・たすき・腕章・ヘルメットは着用できません。

上記以外であれば基本的にどんな服装でも大丈夫です。

私はTシャツ、ジーンズにサンダルと非常にラフな格好で行きました。

帽子も被っていくのはOKですが、法廷内では脱帽しなければなりません。

裁判所に着いてから法廷に入るまでの流れ

裁判所に着いたら一般来庁者入口から中に入ります。

裁判所-傍聴

入口では手荷物検査とボディチェックを受けます。
空港の保安検査と全く同じ要領で、手荷物をX線検査され、金属探知ゲートを通ります。

中に入ったら、その日の裁判の予定を「開廷表」で確認します。

開廷表は1階ホールに備え付けられていて、東京地方・高等裁判所の場合はタッチパネルになっています。

開廷表には開始時間、罪名・件名、どの法廷かなどが載っているので、傍聴したいものがあればメモします。

面倒なのでスマホで開廷表を撮影したくもなりますが、裁判所内は撮影・録音は禁止なので頑張ってメモしましょう。

マスコミも注目するような一部の有名な案件については、傍聴券が必要な場合がありますので注意してください。

傍聴券は交付所に指定された時間に並び、抽選で見事当選したらもらえます。

傍聴するなら地裁刑事の新件がおすすめ

開廷表には家庭裁判所から高等裁判所まで、それぞれ民事と刑事事件の裁判予定が全て載っています。

東京地方・高等裁判所では開廷表がタッチパネルで、裁判所・刑事か民事・新件か審理等の条件を指定して検索できます。

初めて傍聴する人はどれを選べばいいか迷うかもしれませんが、結論から言うと地方裁判所の刑事裁判の新件がおすすめです。

地方裁判所の案件を傍聴すべし

裁判所には、簡易・家庭・地方・高等・最高裁判所があります。

このうち家庭裁判所は非公開で、未公開の軽微な事件や調停などを扱う簡易裁判所も一部非公開です。

最高裁判所はほとんど書面だけなので、傍聴してもあまり面白くないしよく分かりません。

高等裁判所は、地方裁判所で行なわれた判決を不服として控訴した案件のため、事件概要など予備知識がないと話についていけません。

民事より刑事

民事裁判は書面でのやり取りが大半で訴状の朗読もなく、第三者が法廷で傍聴しても正直さっぱりわかりません。
内容も権利義務関係の争いなので刑事裁判に比べて極端につまらないです。

それに対して刑事裁判では検察官が必ず起訴状を朗読するので、ストーリーも理解しやすいです。

刑事裁判はその名のとおり、痴漢などの迷惑行為、詐欺、傷害や覚せい剤等の刑事事件を扱っていて緊張感もあります。

傍聴席と被告人との距離も想像より近く、2メートルほどしか離れていませんので被告人の顔もよく見えます。

新件以外は意味不明

裁判はさらに「新件」「審理」「判決」などに分かれますが、初心者の傍聴におすすめなのは新件です。

新件の場合、冒頭で被告の紹介と検察官による事件の概要説明、それに対する被告の罪状認否から始まるため、どんな事件かがよく分かります。

審理の場合だと内容が前回の続きから始まるので、初めてその事件を傍聴する人には内容がいまいちよく分かりません。

判決の場合はただ判決を言い渡すだけなので、5分10分で終わってしまいます。

以上のことから傍聴におすすめなのは、地方裁判所の刑事裁判の新件です。

傍聴時の注意点

お目当ての法廷に着いたら、傍聴人入口から中に入ります。

実際に傍聴するにあたり、法廷内ではいくつか注意点があります。

  • 審理の妨げとなる行為(私語・飲食・立ち見・居眠りなど)はNG。
  • 法廷への途中の入退室は自由だけど静かに。
  • 携帯電話等はマナーモードか電源OFFにする。
  • 撮影や録音は禁止。なおメモは自由。
  • 裁判長が入廷時は起立する。

裁判は大変厳粛な場で行われます。

審理の邪魔になることのないよう、緊張感を持って臨んでください。

まとめ:一度は裁判を傍聴すべき

裁判の傍聴は決して敷居が高いものではありません。

最初の切っ掛けがただの興味本位だとしても、一度は裁判所に足を運ぶべきだと思います。

私は今回「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」、いわゆる痴漢事件の裁判を傍聴しました。

被告人は大手企業に勤める技術者。
妻子持ちで、左手には結婚指輪。

地方からの出張中に、新宿の映画館で隣に座っていた女の子の太ももを触ったという容疑です。

逮捕されたのが東京だから、平日にも関わらずわざわざ地方から東京地裁まで出向いているわけです。

会社や家族も当然事件のことは知っているでしょう。

被告人は容疑を否認していたので、裁判は今後も続きます。
被告人は審理の度に会社を休み、遠くから東京地裁まで来なければなりません。

会社では白い目で見られているかもしれないし、有罪となれば首になるかもしれません。
家庭でも奥さんや子供にどう接しているのか…。

ほんのわずかな出来心でも、それが切っ掛けで人生が崩壊するかもしれない。

そんな当たり前だけど、とても大事なことを再認識できました。

裁判は、他人の失敗から人生の教訓を学ぶことができる貴重な場です。

機会があればぜひ傍聴に行ってみてください。